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第1回 CV-NET AK Q&A

虚血性心疾患治療に使用するデバイスと虚血性心疾患の画像
野崎 豪 先生(秋田厚生医療センター 臨床工学技士)

IVRチームメンバーとしてNSに期待すること
看護師に限らず、メンバーとして治療現場に入るスタッフは、術者と同じ知識・目線を持つことが重要だと思います。病変のオリエンテーション・治療プラン・進行状況・バイタル変化など医師が何を見て、何を考えているかを、PCIに携わるメンバー全員が理解し行動することができるチームが理想的なのではないでしょうか。
緊急カテの場合、緊急PCIになった場合のデバイスの選択はどうするのか?
基本的には術者のストラテジーにより、デバイスは選択されると思います。緊急PCIか待機PCIかだけで、デバイスを使い分けることあまり多くはないと思われます。緊急PCI時によく使用されるデバイスを理解し準備しておくと、迅速な治療につながるのではないでしょうか。
診断カテーテルでもPCIはできるのでしょうか?
使用するデバイスのサイズを考慮し使用すれば、物理的には可能かもしれませんし、合併症などにより緊急的な処置として、診断カテーテルでPCIをし、ベイルアウトしたという報告もあるようです。しかし基本的には診断カテーテルで、PCIはご法度のようです。資料にもあるように、構造が違いますので、内腔の大きさ・滑り、強度・バックアップなど性能の違いがあり、現実的には不可能ではないでしょうか

ランチョンセミナー                                                                                          『患者と医療者はなぜわかり合えないのか?』『日本の医療行政の将来像』
  磯部 光章 先生(東京医科歯科大学 教授)

(GLに沿った治療に固執する)若いDRにどう指導したらいいのでしょうか?
どう指導されていますか?
EBMやガイドラインが問題になるのは、一般論と個別の患者のギャップがあることです。
医師の裁量よりもGLを優先させようとする場合に、事例毎に何が問題であって、エビデンスをどう生かし、どこがそぐわないかを説明して納得してもらうことです。
例えば、GLが想定している年齢と合わない、想定外の合併症を持っている、エビデンスが得られたRCTの対象外の患者である、患者の生活環境や生活態度、家族などを捉えて、なぜGL通りに行うのが適切でないかを理由を持って諭すことです。どのガイドラインを見ても、冒頭に、GL通りに診療することが最善であるとは限らず、個別の対応が求められること、医師の裁量も重要であること,などが書かれているはずです。

虚血性心疾患治療における術前・術後の患者管理
米川 純 先生(松阪中央総合病院 看護師)

術前後、患者さんを訪問していない理由はありますか?
訪問していない理由は、症例数や勤務体制等の理由から全症例の訪問は難しいのが現状です。 心カテ前後のオリエンテーションに関しては、全症例で病棟看護師から説明を行っています。
ヘパリンは体格(体重)によって投与する量は変化しないのですか?
ヘパリンは、体重による投与量の変更は行っておりません。
CAGでは何単位、PCIでは何単位と決めておくことで、投与量が明確であり分かりやすく投与量ミスの予防に 効果的かと思います。ただし、患者様によって、ヘパリンが効きやすい方や効きにくい方が居るので注意は必要です。 ヘパリンを使用する際は、ACT(活性全血凝固時間)のモニタリングを行いながら管理すると効果的です。
大腿動脈へのカテの際、終了後固定バンドを6時間後まで行っています。
その間血種ができているのかを確認するのに外さない為、疼痛の有無などで状態を把握し
穿刺部を実際に観察することが出来ないのですがどのようにすればいいでしょうか?
大腿動脈穿刺後の圧迫は、出血や血腫等の問題がない限り、圧迫解除の時間まで外すことは少ないと思います。固定の方法は施設により様々(テープ固定、固定ベルト、固定器具など)と思いますが、いずれにしても、圧迫中の穿刺部を直接観察することは難しいと思います。そのため、穿刺部周囲の観察できる範囲で、出血や腫脹の有無を確認すると良いと思います。観察する際は、見るだけでなく、穿刺部周囲を実際に触ってみるのも大切です。 それに加え、疼痛の有無やバイタルサインの変化も観察していくと良いと思います。 また、カテーテル室で手技が終わり、シースを抜いて止血する際に、すでに血腫ができていることもあります。 そういった場合は、カテ室看護師がその時点でマーキングを行い、病棟看護師へきちんと申し送りを行う必要があります。